アドラー心理学について

アドラー心理学とは

アドラー心理学は、オーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラー(A.Adler)が創始し、その後継者たちが発展させた心理学の理論、思想と技法の形態です。

個人心理学(Individual Psychology)が正式名称ですが、個人心理学というと、個人を細かく分析したり個人のみに焦点を合わせるように誤解されやすいため、日本では、この名称はあまり使われません。

<理論>

アドラー心理学の基本前提

Ⅰ.個人の主体性(創造性) Creativity

個人(統一された生命体としての人間)が自分の精神や体を動かすと考える
個人の主語性

Ⅱ.全体論 Holism

個人の有機的統一体であり、部分は相補的に繋がっている
個人の内部には葛藤はない

Ⅲ.仮想論 Fictionalism

個人は状況を主観的に理解する。個人の経験は、その根源において既に人間的な目的によって規定されている

Ⅳ.目的論 Teleology

人間の感情・行動には目的がある

Ⅴ.社会統合論 Social Embeddness・対人関係論 Interpersonal Theoly

行動には相手役がいる
個人は社会の中に組み込まれた存在である

<思想>

共同体感覚(Gemeinschaftsgefühl)という感覚があると信じ、そして、それを育成することが重要という思想をもった心理学です。
人の心についての理論を「基本前提」、性格理論を「ライフスタイル論」といいます。
共同体感覚が信じられて、そして、共同感覚を育てる関わりを「勇気づけ」といいます。
アドラー心理学の理論で共同体感覚を実践し、生活する人をアドレリアンと呼びます。

<技法>

いろいろな技術が理論とクライエントに「適合」するならば、それらの技術を排除しません。(マナスター&コルシーニ、1982) つまり、「勇気づけ」が基礎となりますが、基本的にアドラー心理学の思想と理論と矛盾しないものであれば、どのようなものでも採用します。

アドラー心理学の学び方

学会が主催、もしくは後援する講演会や講座、学習会は各地で開催されています。なかにはオンラインで開催されているものもあります。
はじめての方には、「はじめてのアドラー心理学」や「EOLECT(エオレクト)」の受講をおすすめいたします。

ご注意ください

当学会への入会に際し、アドラー心理学の学習歴に関する条件はありません。したがって、当学会の会員であることがアドラー心理学に習熟していることの証明にはなりません。
アドラー心理学の学習に際しては、日本アドラー心理学会認定の有資格者が講師であるものを推奨しています。有資格者一覧は学会誌『アドレリアン』の巻末に記載しています。
なお、ご不明な点は事務局へお問い合わせください。